蟲が生きる

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「光と水のダフネ」がおもしろすぎた

※本記事はアニメ「光と水のダフネ」のネタバレを含みます

 

 「光と水のダフネ」は2004年のアニメ作品で、2020年1月現在dアニメストアで配信中だ。

 以前、とある筋から本作が名作アニメであるとの情報を得ていたが、今になって漸く視聴することができた。実際のところ、噂に違わぬ名作だった。

 まず第1話冒頭の掴みが素晴らしすぎる!

 海中の美しい青い世界はまさに「光と水」といった印象で、そしてBGMが途切れた時の水中の無音の静寂によって、この作品世界に一気に引き込まれる。

 女の子(主人公・水樹マイア)が沈没船らしき物の中でたった一人、何やら動きを見せ、そしてバイクに乗って一気に海上に浮上すると、空と街と人、彼女を呼ぶ友達、そういった賑やかなものが突然に姿を現す。今見返すと、静から動への見事な変遷だと、しみじみ思う。

 その後、第1話は、マイアの試験不合格に端を発した連続の不幸を、たっぷり時間をかけて淡々と描写していく。これが素晴らしい。本来、物語の主人公というものは、このように描かれて然るべきなのだ。本作においては、マイアが孤独であるという現実が、しっかりと描かれている。この第1話で、マイアが味わった不幸・厳しい現実・孤独感がしっかりと視聴者の僕に伝わってきたからこそ、その後のネレイスの仲間達と過ごす時間のすべてが尊く思えた。

 で、第2話以降、ネレイスの愉快な仲間達とのしっちゃかめっちゃかな日常(?)が繰り広げられるわけだが、これがもう面白過ぎた。

 まず、服!!

 ほんまにわけが分からんwww 露出狂としか思えない変態コスチュームを着てカーチェイスしたり銃撃戦したりしてて、しかも最初から最後まで誰一人それにツッコミを入れない。最終回間近でマイアがレナにめっちゃカッコいいこと言うシーンも、変態コスチュームのせいで生ケツがぷりんぷりんしてて笑ってしまったw ケツがエロ過ぎる!

 そしてなんと言っても、ネレイスの5人がほんとに最高のキャラなんだよな。

 レナさんの厳しいけどもマイアを見捨てないところとか、頼りになるボスなところが好き。

 ゆうさんの近接戦最強なところとか、戦闘服(もはや服と形容し難い)が完全に露出狂なところとか、グロリアさんに当たりがキツいところとか、あと渋い声が好き。

 グロリアさんは、これもう両津勘吉だよねw 射撃最強なのかっこいい。ほんと大好き。人類史上最高の黒ギャルだよ。

 第8話のゆう「お前は鉄砲だけが取り柄だということを忘れるな」グロリア「うるせえ!気が散るから喋んな」っていうやり取りクッソ好き。このコンビ最高。

 静香さんの、やさしいお姉さんなところが好き過ぎる。マジで静香さんのやさしいお姉さん感は異常。メガネかけてるけど顔すっげー美人だし、ウエーブのかかった髪の毛が素敵・・・(ガチ恋

 あと支店長もいいキャラだ。毎回笑える。

 

 2話~10話までのあいだ、物語の核心に触れることもなく、ネレイスで働く日々が続くわけだけど、ここが””治安の悪いARIA””といった感じで、凄く幸せな気持ちになれる。捨て回がマジで無いんだよな。1話ずつマジで笑えるし、しっかり1話完結してるし、ラストに向けての伏線や準備になってる。そして11話でマイアの過去と記憶喪失に触れて、12~19話まで再び日常的な雰囲気に戻る。といっても、同じことの繰り返しではなく、12話は大きな伏線だし、15,16話は2話分使った長編だし、物語が微妙に動きだしている。

 そして19話の最後から最終回24話まで、””マイア編””とも呼べる怒涛のシリアス展開が素晴らしすぎた。主人公がコールドスリープと記憶喪失って、ありがちだと批判される設定なのかもしれんが、やっぱり面白いんだよなあ。記憶が呼び起こされるとき、物語が一つの線で繋がるあの気持ちよさね。第1話で成績優秀なマイアが試験に落ちたのにも理由があったとは。

 親友のつかさが海洋庁職員なのにも関わらず迷うことなくマイアを助けるところとか、8話で登場したミリィさんが最後も助けてくれて、実はマイアと遠い縁があったみたいなのとか、ほんと最高。しかも最終回サブタイトルでタイトル回収する完璧な構成。

 ジジイになったお兄ちゃんが、マイアの幸せのために真実を何も話さずマイアの世話をする日々の回想で、ガチ泣きした。このアニメ、まずマイア視点で泣いて、さらにお兄ちゃん視点で泣いて、最後に再びマイア視点で今の幸せを噛みしめるという隙を生じぬ三段構えなのである。

 ところで、アニメ全部見終わってからwiki見たら、レナ25歳、グロリア25歳、ゆう20歳、静香17歳って書いてあってぶったまげた。全員俺より若いって嘘やろ???・・・・

 笑えて泣けてキャラを愛せて最高のアニメだった。ありがとう光と水のダフネ